見せてあげよう!ブッコの雷を!

素晴らしい!!700年もの間、私の帰りを待っていたのだ!!
君の一族はそんなことも忘れてしまったのかね!?
図書館だ!!伝承の通りだ!!
読める!!読めるぞ!!(すいません

ユージニア

ユージニア

まどろむ夜のUFO

まどろむ夜のUFO

ビューティフル

ビューティフル

オルファクトグラム(上) (講談社文庫)

オルファクトグラム(上) (講談社文庫)

オルファクトグラム(下) (講談社文庫)

オルファクトグラム(下) (講談社文庫)

上記3点は図書館で借りたもの。下の文庫は愛しのアニさんお勧めだったので買ってあって(積読)やっと読んだやつ。

ユージニア。恩田さんの上手さが引き立つ。「Q&A」でもやった手法だけれども、出来事を1人1章の会話でのみ進めていくやつ。最初は点と点が繋がらず、多少間延びも感じるが、進むにつれ点と点、人と人、過去と過去が繋がり、俄然面白くなってくる。犯人がわかっているのに掴めない全貌。終始胸の上に何かが載っているような息苦しさと相まって、作中の夏の暑さをリアルに感じる。
UFO。これ実は表題作しか読めなかった。自分自身が落ちている時に読んではいけない作家さんだなあ。ふわふわと、自分の形がつかめなくなるような、足元が柔らかいものに変わってしまうような、そんな心もとない感覚にされる。
ビューティフル。対照的に、ものすごく精力的な、地に足が着いた感じの本。食い合せがよかったと言うか。この作者の本はハジメテだったのだけど、もう少し読んでみたい。

さて、はてな内でもかなり感想を書かれている「オルファクトグラム」。
確かに、ラスト直前の切羽詰った感じや、だんだん犯人を追い詰めていく興奮と恐怖は素晴らしく、読む手をどんどん進めていく。「犬以上の嗅覚を持ってしまった」という想像が難しい題材を繰り返し繰り返し作中で説明する事で、すんなりと受け入れられる。その手腕も見事。
ただ、ちょっと気になるのは、id:furamubonさんも書いていたように、生理が2ヶ月以上来てないのにガンガンやっちゃう女の子て。つかね、ここからは経産婦として黙っちゃいられないところなんですが。長いので畳むぜ。


あのね、今月生理がこないわ、てなった時には既に妊娠2ヶ月なわけ!(えー?!)生理遅れて1週間ですが?でも、検査薬で調べたら反応出るし、産婦人科で調べたらちゃんとエコーで見えるの!胎児にもなってない胚が!だーから、作中の女の子が言う「2,3ヶ月しないと判らないって言うし…」は嘘!そんなに待ってたら既にツワリ来るよ!でもって、妊娠したかもって思うんならタバコ止めろ!ミニスカ履くな!と、細かいつっこみどころアリアリなんです。実に惜しい。嗅覚についてあれだけ科学的にも調べて書いてくれているので、こういう「家庭の医学」みたいなところで躓いて欲しくなかった。逆に気になっちゃって困った。「あー井上君、誤字なかったらクラスで一番だったんだけどねー」みたいな。まあ、いわゆる男脳小説だから、と割り切ってしまうしかないけど。あと、バンド仲間の捨てキャラぶり(男二人どっちも)も、けっこう驚いた。結局犯人の動機とかも触れてないし。ああ、もったいねえ。割とよくできたミステリなんだけどなあ。