どうか安らかに

氷室冴子さんが死去』…!
久しく読んでいなかったけれど、氷室さんといえば、私が読んでいた頃のコバルトの看板人気作家さんだった。「クララ白書」「アグネス白書」と立て続けに文庫を読み、「ざ・ちぇんじ」で現代風の時代物という面白さに唸り、「さようならアルルカン」の痛々しいまでの瑞々しさに感動し、「雑居時代」のいかにも漫画キャラ的な二重人格の主人公に大笑いし、当時はまだ季刊だったコバルトに連載されていた「蕨ヶ丘物語」の次回を待ち遠しく思い、「シンデレラ迷宮」でより飛躍するだろうこれからの活躍を更に楽しみにしていた。
時代は流れ、コバルトは月刊になり内容もターゲットも変化し、新しい看板作家さんが台頭した。そして氷室さんも「海がきこえる」等で少女向けだけではない分野で活躍をされた。それでも、昔の文庫を読み返せば、友達と回し読みをしたあの空気を思い出し、学校に通っていた気分が蘇る、重要なファクターで在り続けた。だからなのか、とても喪失感がある。寂しい。 どうか安らかにお休み下さい。

さようならアルルカン (集英社文庫―コバルトシリーズ 52B)

さようならアルルカン (集英社文庫―コバルトシリーズ 52B)

雑居時代 上 (集英社文庫―コバルトシリーズ 52-G)

雑居時代 上 (集英社文庫―コバルトシリーズ 52-G)

蕨ケ丘物語 (コバルト文庫)

蕨ケ丘物語 (コバルト文庫)

シンデレラ迷宮 (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

シンデレラ迷宮 (集英社文庫―コバルト・シリーズ)